龍門渕透華と「治水」と龍神様

※すいません、龍門渕の「渕」の字を間違ってたのでタイトルを修正しました。今までずっと間違ってたみたいですね。うぅ、恥ずかしい…。

ただ、わからないのは「なぜ個人戦では特殊な状態にならなかったか」である。
個人戦には合宿に登場したメンバーも出場しており、より多くの強い選手がいたはずである。そのわりに合宿で「冷たい透華」が出てきた際の反応を見るに、龍門渕以外のメンバーは初めてそれを見たようだった。
あくまで個人戦が描かれたのは「アニメ版でのこと」で、本編ではまた違う展開があったかもしれないが、ひょっとしたら単に強い人に近づくだけではなく、他の条件もあったのかもしれない。
M1,2,4,8,17,34,68 : 龍門渕透華の能力考察 「相手は死ぬ」 - livedoor Blog(ブログ)


当該記事のコメント欄でも指摘されていますが、「冷たい透華」が覚醒した時の描写では川が描かれているので、ひょっとしたら強い人と対局するだけでなく川の側に身を置き続ける事も透華が覚醒する為の条件の1つではないか、という可能性を思い付きました…が、それだとどうしてダヴァンと対局した時に「冷たい透華」になったのかがわからないんですよね。インターハイの会場である東京国際フォーラムは川の側にある訳ではないですし。
ただ、透華が覚醒する条件や透華の能力の詳細はわからないにしても、作中の断片的な情報から推測するに「冷たい透華」は川に関係する能力である可能性はかなり高いと思います。という事で、咲 -嘘ニュース-さんが触れられてないそれらの幾つかの情報を「冷たい透華」を考える判断材料の補足としてまとめてみようと思います。


まずは透華の名字から考えてみましょう。龍門渕という名字は実在する名字ではありません。*1龍門渕高校という学校名からわかるように、龍門渕は長野県安曇野市にある龍門淵公園から名前が採用されたと考えられています。そこで、実際に龍門淵公園に舞台探訪をされたこちらの方のブログから一部文章を引用させてもらいます。

作中の風景には出ていないのですが、龍門渕高校の名前の由来だと思われる公園です。
公園内には、龍神宮という祠がありました。
古来より流れが急な難所であったこの地には龍神信仰があったそうです。そのため、龍の出入りする門がある淵ということで、龍門淵の名前ができたようですね。
咲-Saki-@原村、塩尻、安曇野、長野市 - 人は島嶼にあらず

リンク先の写真にある龍神宮の由来を記した石碑の文章も併せて読んでみる事にしましょう。

龍神宮の由来

此処龍門淵は、かつて犀川の本流をさえぎる岩が突出して大渦を巻くなど水の流れが激しく大変な難所であった。
この岩の上に犀川の水霊、龍神「くらおかみのみこと」*2を祀り川の荒れるのを鎮め、或いは日照りの時に雨乞いをするなどの祭祀をしたらしく上段からは古墳時代などの土器が出土している。


このように、衣が「冷たい透華」の能力名として用いた「治水」という言葉は、龍門淵の地名にまつわるものである事がわかります。同様に、石碑の中に登場する「くらおかみのみこと」の「おかみ」の字が透華の後ろに登場してますよね。この字の意味については何故かニコニコ大百科の記述が詳しかったのですが、この字は龍の古語であり、また古事記などに登場する水の神様である淤加美神の事も表すそうです。古事記の中には「くらおかみのかみ」という名前としても登場しているらしいので、恐らく龍神宮の石碑に記された龍神「くらおかみのみこと」はこの淤加美神の事なのでしょうね。

更に付け加えると、「冷たい透華」になった時の透華の目は通常の状態とは異なり爬虫類のような目になっていました。イラストなどで龍の目を表現する時の目も大体こんな感じの目ですよね。
これらを併せて考えると「冷たい透華」はその身に龍神が憑依した状態の透華の事である…こう結論付けて間違いないのではないかと思います。
その上で、この時の透華の能力が河底撈魚なのかあるいはまた別の支配系能力なのかはまだはっきりしませんが…。そこは、また皆さんに考えてもらいたい所ですね。では、最後に今回の話に関連した自分なりの推測について幾つか。


透華について考える時にやはり彼女が天江衣の従姉妹であるという事実は見逃せないと思います。そもそも、透華の父親が衣を別館に閉じ込めた理由が衣に近付く事によって「冷たい透華」が出てくるのを防ぐためだったと思われる節がありますし。更に、以前にこちらの記事でも書きましたが、天江衣の名字「天江」は天の川の意味する言葉でこちらも川に関係がある名字ですよね。
すると、天江衣と龍門渕透華の能力はどちらもその血筋(恐らく女系の)から生まれた能力なのではないかと考えられると思います。ここから推測するなら、衣が「海底摸月」であるならば「冷たい透華」は「河底撈魚」である気もしますが…。けど、「冷たい透華」はツモってたしなぁ…。
更に妄想を膨らませると透華と衣、龍門渕家と天江家は幾つかの面で対照的な存在です。例えば透華はものすごい目立ちたがりな性格ですが衣は一切雑誌のインタビューなどは受けないみたいですし、龍門渕家は恐らくこの地域の有力な財閥なのでしょうが衣の父親は学者でした。すると、例えばかつてあの地域を支配する上で龍門渕家は政治などの表向きの面を、天江家は祭祀などの裏の面を執り行っていた…なーんて考えてみる事も出来るかもしれないですね。


もう一つ。龍門渕家はどうやらかなりの山奥にあるようです。*3

龍門渕高校はどこにあるのかは謎ですが…阿知賀女子と練習試合を行った際にハギヨシが夕食を用意してた事を考えると龍門渕高校は龍門渕家の敷地の一部なのではないか、と推測する事が出来るかと思います。*4
先程も書いたように龍門淵公園は川のすぐ近くにある公園ですが、すると何故龍門渕家は山奥にあるのか?という疑問が生じます。例えばその理由の一つが川の側に身を置き続ける事で発動する「冷たい透華」を防ぐ為…というのはどうでしょうか?これなら透華が毎日衣など龍門渕の他のメンバーと練習をしていても「冷たい透華」になる事はなかった理由は説明できると思います。まぁ、これが正しかったとしても最初にも言った様に何故ダヴァンと対局した時に「冷たい透華」が発動したのかはやっぱり謎のままですが。

*1:咲-Saki-の登場人物の内で他に実在しない名字は今の所「龍門渕」透華の他に「東横」桃子と「夢乃」マホの3人です。

*2:はてなダイアリーだと「おかみ」の字を表す事が出来なかったので平仮名で代用させてもらいます。

*3:長峰山から天平の森の辺り?参考:近代麻雀漫画生活:龍門渕高校の思い出が詰まった長峰山頂とかに行ってきました

*4:もちろん龍門渕高校では顔合わせだけして、練習試合自体は龍門渕家で行われた可能性もありますが