辻垣内智葉と火消しの血
※舞台探訪報告も兼ねてるので画像多めです。
先日発売された咲-Saki-15巻の表紙の舞台探訪に行ってきました。
ところでこの背景、よく舞台探訪される方ならどこにあるのかすぐにぴんと来たと思うのですが、過去にも背景として登場した事があります。
それがこちら、第105局で準決勝直前にガイトさんが登場したワンシーンですね。
場所は中央区浜町の隅田川沿いのエリアとなります。この辺りは他にも
15巻の裏表紙や
13巻のラストで何故かミョンファが泣いていた場所や
第116局でハオが座っていたベンチなんかもすぐ近くにあり、臨海女子のメンバーが登場するシーンではおなじみの場所となっています。
…とするとですよ、このように頻繁に背景として登場するという事は実はこの場所のすぐ近くには臨海女子の学校があるとか寮があるとかそのような設定があるんじゃないか、そのように考えるのはとても自然な事ですよね。
参考:麻雀雑記あれこれ : 【考察】臨海女子高校はどこにあるのか?
上記の記事でしののぬさんは臨海の寮がここにはあるのではと推測されてますが、今回の僕の記事ではなぜこの浜町という場所が選ばれたのかという別の角度からこの問題について考えてみようと思います。
ところでこの河川敷のすぐ後ろには何の建物があるかご存知でしょうか。
それがこちら、日本橋消防署浜町出張所です。
続いて、先程の105局の画像をよく見てほしいのですが、背景とマンガで1ヶ所大きく異なる点がありますよね。
関係者以外立入禁止と書かれている扉が何故か開いています。そしてこのコマを見る限り、ガイトさんとダヴァンはこの開いた扉へ向かっているようですよね。ところで、この立入禁止の場所には何があるというのでしょうか。
それがこちら、日本橋消防署浜町出張所に所属する水難救助隊の消防艇の船着き場となっているんですね。*1
つまり、上記のシーンではガイトさんたちは日本橋浜町出張所に通じる階段から河川敷へと出てきて、関係者以外立入禁止のはずの消防艇の船着き場へと向かっている訳です。
また、ガイトさんに「おじょー」と声をかけてる男の人、やたらきっちりした服を着ていらっしゃいますが、ちょっと調べてみた感じ、消防士の制服(冬服)にとてもよく似ていると思いました。まぁ、これはたまたまかもしれませんが。
そして、14巻で公開された咲-Saki-のキャラクター一覧表ではガイトさんに関してはこのようなコメントが書かれてました。
辻垣内智葉:火消しの血を引いています。
ここで、浜町の背景とガイトさんの設定が火消し=消防署という一つの線で結ばれましたね。
つまり、この場面を現実に即して考えてみると、臨海女子の寮は実は消防署の部屋を間借りしていて彼女たちはインハイ会場へ移動するのに消防艇を利用しているという事に…?いや、流石にこれはおかしいですね。火消しの血を引いているとは言ってもガイトさんのお父さんとかが消防士と書かれてる訳ではないですし。とりあえず、今のところは浜町の背景が頻繁に使われているのはこんな理由があったんだという事だけを納得していただけたらと思います。
また、ガイトさんが火消しの血を引いているという設定が明らかになった後に準決勝先鋒戦を振り返ってみると、ガイトさんが長ドスを振り回して漫ちゃんの爆発を止めようとしたり、「なかなか消えない炎だ」と言ったりしてるのも彼女が火消しの血を引いているという設定を踏まえたものである事がわかります。
長ドスといえば侠客の定番アイテム、江戸時代の火消しは往々にして荒っぽい連中の集まりでありヤクザだとか鳶だとかこの辺りの職業の境目は曖昧だったそうですが、江戸時代の火消しで侠客として名を馳せた人物として新門辰五郎という人物がいます。
この人の武勇伝の1つに、石川島の人足寄場で刑に服していた時に江戸で火事が発生して囚人たちが解放される事態になったが、辰五郎は逃げ去る事もせずに自らの危険を省みずに火消しとして奮闘し、奉行所にその活躍が認められて罪を許された、というエピソードがあります。
そんな石川島の人足寄場の当時の面影を唯一残すのが佃公園にある復元されたこの灯台なんですが
第59局に登場したこの背景も佃公園だったりします。えぇ、流石にこれはたまたまなんじゃないかという気がしますが。ただ、ガイトさんのモデルがこのような侠客の大物だったら面白いと思ったものでつい。
とりあえず、以上の理由からガイトさんには火消し=侠客のイメージがキャラに反映されている事は間違いないようですね。侠客の親分は多数の子分を抱えていたらしいですが、留学生傭兵軍団を束ねるエースとしてのガイトさんも正にそんなイメージにぴったりと言えるのではないでしょうか。
団体戦決勝戦ももう間もなく始まってまたガイトさんの闘牌シーンが見られると思いますし、ガイトさん=火消し=侠客の繋がりについては今後も調べていこうと思ってます。