自分なりの咲-Saki-考察記事の作成方法について その2
その1はこちら。
今回は、僕が去年の一月に書いた一連の宮守考察の時に考えていたことを主な例として、自分なりの考察記事作成ポイントについて書いていこうと思います。
- 前任者の考察をよく読みこんで、その考察で明らかにならなかった箇所を意識し、他のアプローチがないか探ってみる
僕のブログを見に来られるような咲-Saki-ファンの方なら言わなくても既に分かってる事だと思いますが、咲-Saki-の「元ネタ考察」には民俗学、宗教学、歴史、古典文学といった知識が必要となります。ただ、これらの知識についてはいずれも僕は素人レベルのものに過ぎません。なので、例えばの話ですが、僕が全くのノーヒントで宮守女子のキャラクターと『遠野物語』に深い繋がりがあるという事に気付くのは、ほとんど不可能な事だと思います。
という訳で、そういった能力的制約がある中で元ネタ考察をやろうとした時に
- 既存の考察を更に発展させる事が出来ないか
- ある考察の手法を別の考察に用いて新たな発見をする事が出来ないか
- 別々の考察を結びつける新たな繋がりを見つけ出せる事が出来ないか
この3つのポイントを意識して考察に取り組んでみる事にしました。何というか苦肉の策ですねー。もちろん、これから元ネタ考察をやられる方で既にこれらの知識がある程度ある方は、キリスト教なら有珠山、日本神話や神道に詳しいなら永水といった具合に一つの学校に集中して取り組んでみるのもいいんじゃないかと思います。
ここで、僕がすごく参考にさせていただいたのが咲本出考 - 咲-Saki-ほんだし -ですね。今は大分数が増えましたが、僕が宮守考察をする時点ではこういった設定に関する考察がブログとしてまとまった形で読めたのは咲-Saki-ほんだしさんぐらいだったので、とりあえず咲本出考に書かれてる考察全てに何度も目を通して、現時点で元ネタ設定がどの程度明らかになっていて、どの辺りがまだわかってない設定なのかを把握する事にしました。ほんだしさんの記事はどれもすごく読みやすいですし、わかりやすくまとまっているので今でも咲-Saki-考察の基本文献としては必須です。ここで、宮守の考察だけじゃなく全部の考察に目を通したのはさっき書いたポイントの2.と3.を意識していたからですね。
さて、咲-Saki-ほんだしさんの【咲-Saki-謎】 宮守女子と遠野物語 ※5/7更新と今はブログを閉鎖されてしまったんですが、ロクシンさんという方のブログの宮守考察を読んでみて
- シロについてはこの時点でほとんど疑問の余地がないように思われる
- 胡桃ちゃんについては能力や元ネタについてもうちょっと突っ込めそう
- 塞さんの元ネタが塞の神なのは間違いないと思うけど、どうやら遠野物語からはほとんど何もわからないみたい
- 姉帯さんはとにかく六曜が謎
この辺りが気になった点でした。そこで、自分なりのアプローチとして先程のポイント1.を意識して
- とりあえず、謎が多い胡桃ちゃんと塞さんを重点的に調べる
- 宮守のキャラが登場する全てのコマに何かしらのヒントが隠されてると仮定して、咲-Saki-と『遠野物語』などを読み比べてみる
- 『遠野物語』だけでなく、柳田国男の他の著作や柳田以外の遠野に関する本も調べる
という事を念頭に置いて調べて見る事にしました。でまぁ結果として、運よく佐々木喜善の本から胡桃ちゃんとザシキワラシの繋がりらしきものを、柳田国男の『石神問答』という本から塞さんの考察のヒントを見つける事が出来ました。
後、やっぱり大事なのは前任者の考察がどんなに完璧に思えても一度自分で資料をきちんと読み直してみるという事。シロについては完璧に思えてもマヨヒガについてももう一度調べたり、シズの元ネタが蔵王権現らしいって事がわかっても修験道についての基本的な解説本を読んでみたり、はっちゃんが縛り付けられていた岩が三ツ石神社の岩だって事がわかってもその神社についてもっとちゃんと調べてみるとかそういう地道に色々調べてみると、最初の内は時間無駄に思えても思いがけない所で役に立ったりする事が結構ありました。
- キャラクター考察する上で意識するポイント
キャラクター考察する上では、元ネタのどういった要素がそのキャラに活かされているかという事と、そのキャラからどのような元ネタが考えられるかという両面から考えて見る事が大事だと思います。
咲-Saki-のキャラの場合は
辺りが重要なんじゃないかと思います。なので、これらのポイント一つ一つにどういった説明が可能か考えながらキャラクター考察してみるといいんじゃないかと思います。例えば塞さんなら
- 臼沢は岩手県に多い名字、塞は塞の神から
- 宮守は遠野物語の舞台の1つでそこから民俗学、柳田国男に関連した知識が必要
- 能力を塞ぐ事は悪いものが内に入るのを防ぐ塞の神の性質から
- 塞さんが熊倉先生が電車に乗ってるのを気付いたセリフから外と内を隔てる門番のような役割を果たしている塞の神を連想
- 能力発動の時にチャイナ服に紙垂のスカート着てたから、日本の神さまの塞の神と中国の神さま道祖神が習合している事を暗示しているのかもと連想
こんな感じで。まぁ、塞さんは咲-Saki-のキャラの中でも屈指に元ネタがわかりやすいキャラなのでこう上手く行く事はほとんどないんですがwやってみる作業は基本的には変わらないと思います。
まぁ、要は連想ゲームみたいなものですね。片方に咲-Saki-の原作があって、もう片方に『遠野物語』だとかマヨヒガだとか山女だとか鬼、桜、巫女、修験道etc.というように様々なキーワードがあって、それらを図書館で色々な本を流し読みしてみたり、インターネットで検索してみたりして試行錯誤してそれらしい仮説を作り上げていく連想ゲーム。元となる学問に対する知識が不足してるのでどうしても漠然としたキーワードと物量によるごり押しになっちゃうんですが。
例えば、今日図書館でなんとなくタイトルに惹かれて
- 作者: 内藤正敏
- 出版社/メーカー: 法政大学出版局
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…とまぁ、僕はこんな感じで調べ物をして考察記事を書いてるんだよという話でした。思いつくまま書きなぐったので、まるで参考にならなそうでごめんなさい…。まぁ、こんな感じでぐだぐだになりつつも今年もブログを更新していこうと思います。今年もよろしくお願いします(ぺっこりん