「私は君が欲しい!!」だけじゃないっすよ

今日は加治木先輩の誕生日ですね。かじゅたんイェイ〜♪なので、かじゅモモに関する話を少し。
作中屈指のカップルとよく言われるかじゅモモですが、2人の馴れ初めについては、ネットなどでこのようなifを見かける事がたまにあります。

「モモって自分の事を最初に見つけてくれたのがたまたま加治木先輩だから彼女の事を好きになっただけで、もし見つけたのが別の誰か(それこそ男キャラとかでも)だったら、その人に対してラブラブになっていたんじゃないだろうか」

確かに出会ってまだ2ヶ月ぐらいに過ぎないのにあのモモのラブラブっぷりを見るとそのような意見が出てくるのも多少は頷けるものがあります。ただ、単に自分の事を見つけてくれたからというその理由だけで、モモはかじゅの事をこんなにも大好きなのか?というとそんな事は決してないと思います。


例えば、このセリフなんかがわかりやすいですが、長野県大会決勝におけるモモの言動には、麻雀で勝つ事が加治木先輩への恩返しである、麻雀に負けてしまったら加治木先輩にとって自分は何の価値もないんだ、という思いを透けて見る事が出来ます。
もちろん、モモがこの時点でかじゅの事を大好きなのは間違いないんですが…そこには自分を拾ってくれた事への感謝だとか、加治木先輩が欲しいのはあくまで自分の麻雀の腕だけなんじゃないかという不安など複雑な感情がそこにはある気がします。


だからこそ、この問いかけはモモにとって非常に重い意味があった訳ですね。この問いにかじゅはその場で答えを返す事が出来ませんでした。

だからという訳ではないでしょうが、大会敗退が決まった後のモモの表情は聞きたい事があるのにそれを口にするのをためらっているような、そんな表情を見せる事が多いです。きっと口にする事で自分と加治木先輩の関係が終わってしまう事を恐れているんでしょうね。
そんなモモに対してかじゅが出した答えがこちら。

勝たなければ自分の意味がないんじゃないかと思ってるモモに対して、負けたからこそモモと一緒にいたいんだと気付かされたんだと返す加治木先輩。かっこよすぎです…。

そして、話し終えた後のモモの晴れやかな表情がまたいいですよね。劇的な出会いによって一気に惹かれ合った2人ですが、だからこそ互いに似たような悩みを抱えていた訳ですね。
ここで最初の問いに戻りますが、確かにモモがかじゅの事を好きになったきっかけが「私は君が欲しい!!」と自分の事を初めて求めてくれたから、というのは間違いないと思います。ただ、もし2人の繋がりがそれだけだったらその関係が長続きはしないでしょう。
だから、かじゅモモが本当の意味でカップルになる大きな転換点がこの会話の中にあったんじゃないか、そう僕は思います。

だからこそわざわざ7巻のカバー裏で冬になってもモモが加治木先輩と一緒にいる事が示唆されているんじゃないでしょうか。このモモの幸せそうな表情がかじゅとモモが一緒にいる意味は単に麻雀の為だけではないんだよ、という立先生の答えなのではないかと思います。*1

このような積み重ねは新道寺に代表される阿知賀編で繰り返し描写されますが、その始まりをかじゅモモの2人に見る事が出来るんじゃないかと思います。出会ってからまだ間もない2人ですが、きっとこれから先も様々な思い出を「積み重ね」ていってくれる事でしょうね。


近代麻雀漫画生活:12月21日は加治木先輩の誕生日なんで魅力を語り尽くすっすよ!
勘のいい人はすぐ気付かれると思いますが、今回の記事はいのけんさんのこちらの記事リスペクトです。
東横桃子と加治木ゆみシナリオに関する一考察: 麻雀アニメ&麻雀ゲームあれこれ
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*1:そして、今日加治木先輩の誕生日の12月21日は遠距離恋愛の日だそうです。2人の繋がりはかじゅが鶴賀を卒業してからも続くんだというこれも立先生からのメッセージでしょうか。