小走先輩の名前について

阿知賀女子があるとされる吉野は日本でも屈指の桜の名所として知られています。また、出会いと別れが阿知賀編のメインテーマの1つでもある為に、物語の印象的なシーンで度々桜の背景が使用されてきました。

そして吉野が桜の名所となった理由には役行者が大きな役割を果たしています。以前にも書きましたが、シズの能力は役行者と関わりが深いんですよね。この辺りは、あああさんのこちらの記事をご覧ください。

阿知賀とお花見について : ああ、あの牌?

このように、桜は阿知賀編という作品を象徴する花と言えると思います。…とすると個人的に気になったのが、あのキャラクターの名前は果たして桜に関係があるのか?という事です。そのキャラとは…


晩成高校の小走やえ先輩ですね。「やえ」…という名前を聞いた時に多くの人が思い浮かべる漢字は「八重」だと思います。そして、花びらが幾つも重なった桜の総称を「ヤエザクラ」と言いますよね。ちょうど今年の大河で『八重の桜』が放送中というのもありますが、女の子の名前で「やえ」と聞くとヤエザクラをイメージする方は多いんじゃないかと思います。
という事で、小走先輩に関する何かがないかとヤエザクラについて調べてみると、幾つか小走先輩…というより、晩成とヤエザクラとの繋がりと言えるようなものがある事に気付きました。

まず、一つ目。ヤエザクラの花言葉は「理知に富んだ教育」「豊かな教養」「おしとやか」などだそうです。「おしとやか」というイメージで思い浮かべるのはむしろお嬢様学校である阿知賀の方ですが、「理知に富んだ教育」「豊かな教養」というのは偏差値70の晩成高校の設定にぴったりですよね!

次に、ヤエザクラの品種の一つに「ナラノヤエザクラ」という品種があります。小倉百人一首にも採用された事で有名な伊勢大輔

いにしへの 奈良の都の 八重桜 けふ九重に においぬるかな
伊勢大輔(61番) 『詞花集』春・29

この歌の中に登場する八重桜がナラノヤエザクラだと考えられているそうです。そして重要なポイントはこの「ナラノヤエザクラ」が奈良県県花奈良市の市章、市花に採用されている奈良を代表する花だという事です。40年で全国出場を逃したのが一度しかない晩成は正に奈良を代表する高校、そしてその晩成のエースである小走先輩の名前に奈良を代表する花である「ナラノヤエザクラ」を思い起こさせる「やえ」が採用されているのだ…こう考える事は出来ないでしょうか?
また、「ナラノヤエザクラ」がある奈良公園吉野山奈良県の桜の2大名所です。阿知賀編の象徴として桜が使われているのなら、奈良県における阿知賀のライバルとして描写されている晩成に吉野と奈良公園の桜の名所としてのライバル関係を重ね合わせてたりするのかもしれないですね。
ちなみに、八重桜は4月5日、あるいは5月9日の誕生花とされているそうです。咲-Saki-のキャラクターたちの誕生日はどことなくそのキャラに縁がある記念日である事が多いみたいです。もし小走先輩の誕生日がこの2つのいずれかだったら、小走先輩の名前の由来が八重桜である確率はぐっと高まると思います。という事で、ラブじゃん♡2でも何でもいいんで阿知賀編のキャラクター達のプロフィール公開を是非お願いします!

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ちなみに、次回も咲-Saki-と桜にまつわるお話を紹介する予定です。