塞さんの髪の色について考えてみるよ
皆さんもうご覧になったと思いますが、アニメの14話が現在配信中ですね。アニメで遂にちゃちゃのんと塞さんが初登場!!…だったのですが、ちょうどこの部分の作画がイマイチだったせいか塞さんの髪型や色について色々言われてますね。
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…うん、まぁ確かに塞さんのあの和風の雰囲気に赤は確かに違和感を感じるかもしれません。けど、立先生だって色を設定する時に全くそのあたりについて考えてなかったという事はないはずです。ならばここは上埜さんと同じようにこう考えてみましょう。塞さんの髪の色が赤なのはきっと何らかの意味があるはず…と。
という訳で、塞さんについてちょっと復習です。より詳しく塞さんについて知りたい方はこちらの記事を見て下さい。
以前も言ったように塞さんの元ネタである塞の神について簡単にまとめるとこの3つがあげられます。
1.や3.については作中で明確な能力描写がされているのでこれ以上の説明は不要と思いますが、2.のポイントが描写されているのが
このコマでした。チャイナドレスと紙垂のスカートが日本と中国の神様が習合した塞の神(道祖神)を表している訳です。また、これも書きましたが塞さんのあのお団子に前髪ぱっつんという髪型にもこの日本と中国というイメージが反映されているのではないかと個人的には思っています。
これまでは塞の神と道祖神の繋がりから塞さんのイメージを考えてみたんですがここで別の神様との繋がりについても考えてみようと思います。その神様の名前は岐神(ふなどのかみ)です。
塞の神と岐神は『古事記』や『日本書紀』に既に登場します。具体的にいうとイザナギとイザナミの黄泉の国での別離のシーンですね。『古事記』ではイザナギは黄泉の国との境界の坂を大きな石で塞いでしまう、そしてこの石を道返之大神とか黄泉戸大神と名付けるんですが、これが塞の神の起源とも言える訳です。同じシーンが『日本書紀』だとちょっと違っていて石で塞いだ上に「これ以上はこっちに入ってくるなよ」と言って杖を投げるというシーンが付け加えられています。この地面にささった杖が岐神と名付けられるのだそうです。なので、恐らく最初は性質が似ているだけの別の神様だったと思うんですが、今ではこの2つは全く同じものとして考えられているみたいですね。
そして、岐神の初期の姿については『本町世紀』に具体的な記述があるらしいのですが、それによると岐神は赤く塗られて緋色の着物を着た木で作られた神様だったそうです。
この場合赤の色は疱瘡神なんかと結びついて考えられる事が多いそうです。疱瘡というのは天然痘の事なんですが、疱瘡神は赤い色を嫌うという言い伝えから赤いものを村の入り口に置いたり、江戸時代には「赤絵」と呼ばれるお守りが流行したりしたそうです。ちなみに、ダルマの色が赤なのもここから来ているそうです。
また、塞の神と同一視される事が多い猿田彦という神様もホオズキのように光り輝いているという描写があるので赤のイメージですね。
と、このように塞の神に関係するモノには赤のイメージが多いんですが、どうやらここまで考える必要はないみたいで古来より赤という色は魔除けの象徴だったらしいんですよね。諸説あるんですが、神社の鳥居が赤かったりお地蔵様の涎掛けが赤いのもその為だとか。
こう考えると塞さんの髪の色が赤なのは塞いでしまうという能力にぴったりのものだと思いますよね。だから、赤が似合わないとか禁止!禁止です!
- 作者: 森田拾史郎,金森敦子
- 出版社/メーカー: 京都書院
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