長野県大会の回想から見る部長とキャプテンの共通点

前回の記事にも書きましたが、キャプテンって先輩や同級生との関係で結構苦労してきたんじゃないかと思わせるところがいくつかあります。そして、咲-Saki-の登場人物の中で先輩や同級生に恵まれず苦労してきた人といえば・・・


やっぱり上埜さんですよね。見た目も性格もまるで違う二人ですが、根っこの部分ではわりと似たもの同士なんだな〜と思うところを県大会決勝戦の描写から垣間見る事が出来ます。
例えば部長のこのシーン

当時この学校の麻雀部は幽霊部員が数人いるだけで廃部寸前だったの
いくら勧誘しても長続きしなくてみんなどんどん辞めていっちゃってね…(中略)
もしあの時私がめげていたら今この時はなかった
状況が悪いとか才能がないとか…
そんなことを思っていたとしても…
立ち止まらずに一歩一歩進んでいけば何か必ず違う景色が見えてくるわ

一方のキャプテンはというと

たまに…ありえないくらいひどいことが起きるでしょ?
そのたびに怒ったりヘコんでたらキリがないと思うの
いつかきっとイイこともあるって信じて明るく前を向いて―
何事もそうやって楽しんでいきたいわ…

こう比べてみると2人の言い回しは多少異なりますが、共通したどんな時も前向きに進んでいく心の強さを感じる事が出来ます。
また、この回想が使われた場面の共通点にも見逃せないですね。まず部長の場合は先鋒戦の時です。
純くんによってリズムを崩されて全然和了る事が出来ないタコス。あきらめかけたその時に部長の言葉を思い出してやる気を取り戻します。

取り返せないとか無理とか―そんなコトじゃない―
今―自分にできることをするんだ!!
少しでも―1点でも多く終わらせる―!!
諦めた心では見えないものも―前に進めば見えてくる―!!

この後タコスは苦手な南場にもかかわらず純くんから点を取り返します。最終的にはキャプテンにしてやられましたがなんとか2位で試合を終えました。

一方のキャプテンの回想は大将戦において。かじゅと衣に2連続でハネマンに振り込んだ時に、キャプテンの言葉を思い出した池田はというと…

何諦めてるんだ池田ァ!!

…いやいや、確かに池田はここではへこんだままです。けれど、ちゃんとその後ぎりぎりの所から復活しますよ。

ラスひいて3位をまくるのも難しそうな時
心が折れて弱気になったらくる牌まで弱くなる気がする
もし神がいるのなら
前に向かう者を好きでいてくれるはず!

直接このシーンに繋がる回想は別なんですが、このセリフを見るとキャプテンとの最初の回想もまた池田の心の支えとなって、ここに繋がっている事がわかります。

この後池田は数え役満和了ったりするんですが最終的には4位。けれど、試合後に池田は衣に向かっていいます

セリフがまんまキャプテンの受け売りなのがいかにも池田らしいですがw

それにしても、部長とタコス、キャプテンと池田の回想シーンは非常によく似ていますね。どちらも似たようなセリフ、そして苦境に陥った後輩が尊敬する先輩の言葉を胸に刻み込んで復活する―池田とタコスは全国に来てから仲良くなった描写が見受けられますがその予兆がこのシーンからも読み取れるように思えます。

そして、一番思うのが部長とキャプテンが魅かれ合うのは3年前の事が仮になかったとしても必然だったんだな、という事ですね。2人は全然違うように見えて根っこのところでよく似ている所がわかりますし。何より先輩や同年代に恵まれないながら、後輩をここまで育て上げたのは立派です。つまり、やっぱり部キャプは正義って事ですね!