何が悪いと必ずしも言い切れない事がまた辛い

ローマ人の物語 (35) 最後の努力(上) (新潮文庫)

ローマ人の物語 (35) 最後の努力(上) (新潮文庫)

よーやく・・・ようやく文庫の現在発売されている分に追いつきました。去年の夏休みに読みきるっていったのに・・・。有言不実行で情けない。

ただ、「賢帝の世紀」までは一気に読んでいたのに、その後がなかなか続かなかったのはローマが崩壊に向かっていくのを直視したくなかったんだな、と改めて実感しています。これ程の力と繁栄を成し遂げた国家が、わずかの内にどんどん綻びを生じさせていく・・・しかも必ずしも皇帝個人の資質がとてつもなく堕ちてしまった訳でもないし、「すべての道はローマに通ず」を見れば解るように公共のシステムはほぼ完璧であったにも関わらず。なんともいえないやるせなさを感じずにはいられません。